この章では、新規リスト作成を完全に手動で行う方法の説明を行います。
作業には、サーバ上のエディタの知識や、ファイルパーミションの知識が必要です。
また、作業をするにあたって、rootでのログイン、ならびにmajordomoでのログインが必要になります。
リストに登録されるメールアドレスを格納するファイルを作成します。
majordomoのホームディレクトリ配下にある、listsディレクトリに移動し、リスト名でファイルを作成しておきます。
コマンドラインで、touch [リスト名] を実行すると、リスト名のファイルが作成されます。
リストに対して投稿したメールの連番を付与するために、シーケンス番号のファイルを準備します。
エディタで、[リスト名].seqというファイルを新規作成し、中には「1」とだけ記入し保存しておきます。
管理者の権限でリストに対する操作(リストの属性変更、強制退会等)を行う際に要求されるパスワードを設定します。
同一のディレクトリに [リスト名].passwdというファイル名で、パスワードを記述したファイルをエディタで作成します。
作成後、オーナ以外に見えなくさせるため、ファイルのパーミションを変更します。chmod 0600 [リスト名].passwd
リスト宛てにメールが送られてきた際に、majordomoに転送されるように、エイリアスを修正します。
以下のエイリアスを/etc/aliasesに追加します。
リスト名:"|/usr/local/majordomo/wrapper sequencer -l test -n -hサーバ名 リスト名-going"
リスト名-going::include:/usr/local/majordomo/lists/リスト名,リスト名-archive
owner-リスト名:リストオーナ名(メールアドレス)
リスト名-request:"|/usr/local/majordomo/wrapper resend request-answerリスト名"
リスト名-approval:owner-リスト名
リスト名-owner:owner-リスト名
リスト名-archive:"|/usr/local/majordomo/wrapper archive2.pl -a -d -f /usr/local/majordomo/lists/リスト名.archive/リスト名"
新規リスト作成時に追加するエイリアスの内容追加後、エイリアスを登録するために、newaliasesコマンドを発行します。
作成したリストに対して、正しく登録されたか確認するため、作成したリストに対し1度メールを発信する必要があります。ホームサーバのユーザ「majordomo」に対して、以下のコマンドを記入したメールを送ります。
◎ config <リスト名> <リストパスワード>
登録が正常に行われていると、リストのデフォルト設定の属性内容が、メールで転送されてきます。
この内容を変更する事により、リストの属性を変更する事が出来ます。
リスト毎の環境の変更は、サーバのリスト本体のあるディレクトリの、[リスト名].configというファイルをエディタで更新します。
実際のファイルの内容は、以下の表のようになっています。
どの項目を変更するかは、4章のリファレンスを参照して下さい。
環境設定ファイルの内容(一部)
次にユーザの登録です。登録されたユーザは、majordomoユーザのホームディレクトリ配下にあるlistsディレクトリ内に[リスト名]のファイル名で保存されています。
実際に新しいユーザを登録するには、そのファイルに参加者のメールアドレスを追加してゆけば、登録は完了です。
メールアドレスは、1行に1つ記述し、行末は改行(LF)で区切ります。
メールアドレスの登録例
リストの紹介メッセージを登録しておくと、リストに新規に参加されたユーザに、紹介メッセージが送られます。
また、infoコマンドでも同様にメッセージを取得する事が出来ます。
サーバのリスト本体がおかれているディレクトリに、[リスト名].infoという名前でファイルを作成すると、その内容が紹介メッセージになります。
メッセージに全角文字を使用する場合は、コードをJISにしておく必要があります。
以上で、新規リストの作成は完了です。
運用中の環境変更や、リスト参加者の追加等の作業も、同じようにする事が出来ます。
ユーザコマンドや管理者のコマンド、また、環境設定ファイルの記述方法は、3章、4章のリファレンスを参照して下さい。